「見積書や提案書の作成、AIに任せたいけど、どこまでなら安全なんだろう」——資料作成に時間を取られている同僚からよく相談されます。この記事の結論を先に言うと、「文面の構成・言い回しの下書きまではAIに任せてOK。金額・数量・納期などの数字と、契約条件に関わる文言は必ず人が最終チェックする」です。実際に自分の見積書・提案書作成でAIを使い倒して、任せていい部分とダメな部分の境界線を確かめました。
きっかけ:提案書の下書きに丸2時間かけていた
Web制作会社でエンジニアをしていますが、見積もりや提案書を作る機会が意外と多くあります。ゼロから文章を組み立てると、構成を考えるだけで小一時間、文面を整えるのにさらに1時間、という状態が続いていました。
「この時間、AIに任せられないか」と思い、実際に直近の案件で提案書の作成プロセスをAIに任せてみることにしました。
実際にやってみたこと
構成のたたき台:「Web制作の提案書、以下の要件で構成案を作って」と伝え、見出し構成(背景・課題整理・提案内容・体制・スケジュール・費用)のたたき台を出してもらいました。ここは非常にスムーズで、自分でゼロから考えるより早く、抜け漏れも少なくなりました。
文面の言い回し:各セクションの文章も下書きしてもらい、自分の言葉に合わせて微調整する形にしました。「ですます調で、専門用語は避けて」のように指示すると、非エンジニアのお客様にも伝わりやすい文面になりました。
費用の計算:ここで問題が起きました。工数×単価の掛け算を含めて金額を計算させたところ、桁が1つずれた金額が算出されていたのです。文章としては違和感なく提示されるため、見た目だけでは気づきにくいミスでした。
TOI
金額の桁ズレに気づいたときは本当に冷や汗でした。以来、数字が絡む部分は必ず自分の手で再計算しています。
契約条件の文言:「支払い条件」「納品後の保証範囲」など、契約に関わる文言もAIに下書きさせてみましたが、自社の実際のルールとは異なる一般的な内容になっていることがあり、そのまま使うとトラブルの元になりかねないと感じました。
どこまで任せていいか:4つに切り分けて考える
「文章」と「数字・契約条件」で任せていい範囲がはっきり分かれるというのが、実際にやってみた実感です。
任せてよかったもの:構成・文面の下書き
提案書の骨組みや、読みやすい言い回しへの調整は積極的にAIに任せるべきです。ゼロから書く負担がなくなるだけで、資料作成の時間は大幅に減ります。
要注意だったもの:金額・数量の計算
金額計算は自分で電卓やスプレッドシートで再計算し、必ず照合することにしました。AIが出した数字をそのまま転記するのは危険です。
要注意だったもの:契約条件・保証範囲の文言
支払い条件や保証範囲など、法的な意味を持つ文言は、自社のテンプレートや過去の契約書をベースに、AIには「言い回しの微調整」だけを任せる運用に変えました。ゼロから内容を作らせないのがポイントです。
任せてはいけないもの:最終確認そのもの
どれだけ精度が上がっても、提出前の最終確認は必ず人が行います。特に金額と契約条件は、ダブルチェックを省略しないようにしています。
結果、どれくらい時間が短縮できたか
以前は提案書1本の作成に3時間前後かかっていましたが、構成と文面の下書きをAIに任せることで、自分の作業時間は1時間程度まで減りました。ただし金額計算の再確認と契約条件のチェックには変わらず時間をかけているため、「全体の時間が3分の1になった」わけではなく、「時間のかかる部分が下書きから最終チェックに移った」という感覚が近いです。
TOI
「時間が減った」というより「時間のかけどころが変わった」という感覚のほうが正直近いです。楽になったのは間違いないですが。
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まとめ
- 構成・文面の下書きは積極的にAIに任せる。時間短縮効果が一番大きい
- 金額・数量の計算はAIに任せきりにせず、必ず自分で再計算して照合する
- 契約条件・保証範囲などの文言は、自社テンプレートをベースにAIには微調整だけ任せる
- 最終確認(特に数字と契約条件)は省略しない。ここを人が見るからこそ、他の部分を安心して任せられる
「AIに全部任せる」か「AIを一切使わない」かの二択ではなく、「文章は任せる、数字と契約条件は人が見る」という線引きを決めておくと、時間短縮とリスク回避を両立できると感じています。



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