クライアントサイトの検索順位下落、Search ConsoleのデータをChatGPTに読ませて原因分析させてみたら「下がったページの特定」は一瞬だったが「アルゴリズム変動か中身の劣化か」の切り分けは自分でやるしかなかった話

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「先月まで1位だったページが、気づいたら3位」にクライアントから連絡が来た

Web制作会社でクライアントサイトの保守・運用を担当していると、月次レポートを送るより先に「順位が下がった気がするんですけど」とクライアント本人から連絡が来ることがある。今回担当したのは、地域の専門サービス系クライアントのサイトで、主力キーワードで検索1位を半年近くキープしていたページが、ある週を境に3位まで下がっていた。

順位が下がった原因は、大きく分けて2パターンしかない。Googleのアルゴリズム側の変動なのか、それともページの中身(情報の鮮度・競合の追い上げ)が実際に劣化したのか。この2つは対処法がまったく違うので、クライアントに説明する前にどちらなのか切り分ける必要があった。ただ、いつものように目視でSearch Consoleの画面を1ページずつ確認していくのは正直しんどい作業で、今回はSearch Consoleのデータを丸ごとChatGPTに読み込ませて、原因分析の一次仕分けをやらせてみることにした。

TOI

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「順位下落」の一報が来るたびに身構えるが、実際は原因の半分くらいは自分たちのサイトの外側で起きている。

Search ConsoleのCSVをChatGPTに読み込ませて分析させてみた

使った手順

  1. Search Consoleの「検索パフォーマンス」から、対象ページを含む直近3ヶ月分のクエリ別データ(クリック数・表示回数・CTR・掲載順位)をCSVでエクスポートする
  2. 同じ期間の日別データも別途エクスポートし、順位が下がった日付を特定できるようにする
  3. 2つのCSVをChatGPTにアップロードし、「どのクエリで・いつから・どの程度順位が下がったか」を洗い出させる
  4. 併せて、下落が始まった日付の前後にGoogleのコアアップデートやスパムアップデートの発表がなかったかを確認させる

ChatGPTへのプロンプトはこんな形にした。

あなたはSEO分析を手伝うアシスタントです。
添付の2つのCSVは、あるページのSearch Consoleデータです
(ファイル1: クエリ別、ファイル2: 日別)。

【やってほしいこと】
1. 直近3ヶ月で掲載順位が悪化しているクエリを、下落幅が
   大きい順にリストアップする
2. 日別データから、順位が下がり始めた具体的な日付を特定する
3. 特定した日付が、直近のGoogleコアアップデート・スパム
   アップデートの実施時期と重なっているかを確認する
4. CTRと表示回数の変化も合わせて見て、「順位は下がったが
   CTRは維持している」のか「順位もCTRも下がっている」のか
   を分けて報告する

【前提】
・クライアント名やページ内容の詳細はこちらで別途伝えるので、
  数値の傾向分析に専念すること

「下がったページ・下がった日付の特定」は一瞬だった

CSVを読み込ませてから数十秒で、下落が始まった正確な日付と、どのクエリで何位から何位に落ちたかの一覧が出てきた。目視で日別グラフを1つずつ確認して「あれ、このあたりから下がってる気がする」と当たりをつけていたこれまでのやり方に比べると、この一次仕分けの速さは素直にありがたかった。

さらに、「順位は下がったがCTRはほぼ変わっていない」クエリと、「順位もCTRも同時に下がっている」クエリを分けて報告してくれた点は、目視では見落としがちな観点だった。前者は表示位置が落ちただけで検索意図とのマッチ度自体は保たれている可能性が高く、後者はページの内容そのものが検索意図とズレ始めているサインとして扱える。この仕分けだけでも、次に何を確認すべきかの優先順位がかなり絞れた。

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でも「アルゴリズム変動か中身の劣化か」の最終判断は自分でやるしかなかった

ここまでは順調だったのだが、肝心の「なぜ下がったのか」を確定させる段階で、ChatGPTの分析だけでは決め切れなかった。今回のケースでは、下落開始日がGoogleの大型コアアップデートの展開時期と近く、ChatGPT側は「アップデートの影響である可能性が高い」という報告を出してきた。

しかし、実際に競合の上位ページを自分の目で確認しに行くと、上位に入ってきた競合ページは、こちらのページより明らかに情報の更新日が新しく、こちらが半年更新していなかった料金や実績の記載を最新化していた。つまり、アップデートのタイミングと重なってはいたものの、実態は「競合が中身を磨いてきたことで相対的に順位が落ちた」可能性の方が高いと判断した。

ChatGPTはCSVに入っている数値上の相関(日付の近さ)までは指摘できても、「競合ページの中身が実際にどう変わったか」という、CSVの外側にある情報までは見に行けない。これはCSVという入力データの制約であって、ChatGPT自体の分析力の問題というより、そもそも渡していない情報を判断材料にはできないという当たり前の話ではある。ただ、この「当たり前」を毎回自覚しておかないと、AIが出してきた尤もらしい一つの仮説(今回で言えば「アップデートのせい」)を鵜呑みにして、クライアントに誤った説明をしてしまうところだった。

TOI

TOI

「アップデートのせいです」で説明を終わらせるのが一番楽だが、それで済ませていたら競合に抜かれ続けていたと思う。

最終的にクライアントには、「順位下落の時期はGoogleのアップデートと重なっているが、上位の競合ページの更新状況を見る限り、コンテンツの鮮度で差がついた可能性が高い」と伝え、料金・実績部分の情報更新を提案することにした。結果としてこちらの方が納得感のある説明になり、次のアクションも明確にできた。

パターン別、検索順位下落の原因分析でAIに任せていい部分・いけない部分

  • 下落クエリ・下落開始日の特定 → 完全に任せて良い。目視での確認より速く、見落としも少ない
  • CTR・表示回数の変化パターンの仕分け → 任せて良い。「順位だけ下がった」のか「検索意図とズレ始めた」のかの一次判断材料になる
  • アップデート時期との時系列上の照合 → 参考情報として任せて良いが、「時期が近い=原因」と即断はしない
  • 競合ページの中身の変化を実際に確認する作業 → CSVに入っていない情報なので、必ず自分の目で競合ページを見に行く
  • クライアントへの最終的な原因説明・改善提案 → 複数の仮説を比較した上での結論は自分の判断で出す

実際にやってみて分かった、ChatGPT活用の得意・不得意

ChatGPTに任せて良かった部分

  • Search Consoleの大量データから、下落クエリと下落開始日を短時間で特定すること
  • 順位とCTRの変化パターンを分けて報告させ、次に確認すべき観点を絞り込むこと
  • Googleのアップデート時期との時系列上の照合を、一次情報として素早く出すこと

自分でやるしかなかった部分

  • 数値上の相関(アップデート時期との近さ)を、そのまま因果関係として結論づけないこと
  • 競合ページの実際の中身・更新状況を自分の目で確認すること
  • 複数の仮説の中から、クライアントに説明する最終的な結論を選ぶこと

まとめ

  • Search ConsoleのCSVをChatGPTに読み込ませると、下落クエリ・下落開始日の特定は数十秒で終わり、目視確認より圧倒的に速い
  • CTRと順位の変化パターンを分けて見ることで、「表示位置が落ちただけ」か「検索意図とズレ始めたか」の当たりがつけられる
  • ただし「アルゴリズム変動か中身の劣化か」を確定させるには、競合ページを実際に見に行くなど、CSVの外側にある情報を自分で集める作業が必須
  • 次に順位下落の相談が来たときも、一次仕分けはChatGPTに任せつつ、「時期が近い=原因」と即断せず競合の中身を必ず自分の目で確認する運用を続けたい

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