クライアントへの納期遅延お詫びメール、ChatGPTに下書きさせてみたら「型」はすぐ出たが「言い訳に見えない言い回し」は自分で選ぶしかなかった話

業務効率化の実践記録

「遅れます」を言うタイミングを迷っている時間が一番つらい

Web制作の仕事をしていると、納期が数日ずれ込むことは正直ゼロにはできない。今回のケースは、実装自体は順調だったのに、クライアント側からの素材(写真・原稿)の入稿が想定より2週間遅れ、そのしわ寄せで公開日を後ろにずらさざるを得なくなった、というよくあるパターンだった。原因の半分はこちら側の進行管理の甘さでもあったので、単純に「そちらの入稿が遅れたので」とは言い切れない気まずさがあった。

厄介なのは、遅延そのものより「いつ・どう伝えるか」を決めるまでの時間の方が長くかかることだ。先延ばしにすればするほど心証は悪くなるとわかっていても、文面を練っているうちに1日が過ぎてしまう。今回は、まず第一報だけでも早く出すために、ChatGPTに謝罪メールの下書きを作らせるところから始めることにした。

TOI

TOI

文面を考える時間があるなら、その時間で1秒でも早く一報を送った方が印象はいい。頭では分かっていても、いざとなると手が止まる。

ChatGPTに謝罪メールの下書きを作らせてみた

使った手順

  1. 遅延の事実関係を「当初の予定日」「新しい予定日」「主な原因」の3点だけ、感情を入れずに箇条書きにする
  2. 原因に自社都合とクライアント都合が混ざっている場合は、その配分もメモしておく
  3. ChatGPTに、この事実関係をもとに「第一報用の短いメール」と「経緯説明を含む詳しいメール」の2パターンを作らせる
  4. 生成された文面から、自社の状況に合わない表現(言い訳っぽく読める部分、逆に相手の落ち度を責めているように読める部分)を探して削る

ChatGPTへのプロンプトはこんな形にした。

あなたはWeb制作会社のディレクターです。
以下の事実関係をもとに、クライアント宛の
納期遅延のお詫びメールを2パターン作ってください。

【事実関係】
・当初の公開予定日: 9/15
・新しい予定日: 9/26
・主な原因: クライアントからの写真・原稿の入稿が
  当初予定より2週間遅れたこと。ただし進行スケジュールの
  バッファをこちらが十分に見ていなかった面もある

【やってほしいこと】
1. パターンA: 遅延が確定した直後に送る、短い第一報メール
2. パターンB: 新しい予定日と今後の進め方まで含めた、
   詳しい経緯説明メール
3. 相手の落ち度を責める書き方にはしない
4. 言い訳がましく読めない範囲で、原因には軽く触れる

「型」と「言い回しの候補」は数十秒で出そろった

プロンプトを送って数十秒で、第一報用の短いメールと、経緯を含む詳しいメールの2パターンが出てきた。件名の付け方、書き出しの謝罪の一文、新しい予定日の伝え方、結びの一文といった「型」の部分は、そのまま使える完成度だった。特に第一報の短いメールは、こちらが1文字も考えずに数分で送信できる水準で、「早く送る」という一番大事な部分をすぐに達成できたのは助かった。

敬語の言い回しのバリエーションを複数提案してくれる点も便利だった。「ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません」以外にも、状況に応じた表現の候補をいくつか出してくれたので、そこから選ぶだけで済んだ。

未払いの請求書督促メール、ChatGPTに下書きさせてみたら「角の立たない言い回し」はすぐ出たが「相手によって効くか効かないか」の見極めは自分でやるしかなかった話
「催促しといて」と言われるたび、文面づくりで手が止まるWeb制作会社で働いていると、経理から「〇〇社さん、入金確認できてないので連絡してもらえますか」と言われる場面が定期的にある。金額の大小に関係なく、直接クライアントとやり取りしているのは...

でも「言い訳に見えない言い回し」は自分で選ぶしかなかった

型ができたところで安心して読み返すと、そのまま送るのは危ういと感じる部分がいくつかあった。

ChatGPTが作る経緯説明は、事実関係を丁寧に説明しようとするあまり、原因の記述が長くなりがちだった。「素材の入稿が遅れたため」の一文で済むところを、いつ何がどれだけ遅れたかまで詳しく書こうとする。詳しく書けば書くほど、読み手には「言い訳を並べている」という印象になりやすい。原因への言及は最小限にとどめ、その分「今後どう進めるか」の記述を厚くする方向に自分で書き直した。

もう一つ想定外だったのは、原因の配分によって適切な文面が変わることだった。今回のように自社都合とクライアント都合が混ざっているケースは特に判断が難しく、状況ごとにパターンとして整理しておく必要があると感じた。

  • 原因がほぼクライアント都合の場合(素材の入稿遅れ等) → 相手の落ち度には触れず、「進行上の都合により」など主語をぼかした表現にする。責める書き方は今後の関係に響くため、事実を指摘する必要がある場合でも別の場で伝える
  • 原因がほぼ自社都合の場合(実装の遅れ等) → 原因を明確に認め、再発防止として何を変えるかまで一言添える。ここを曖昧にすると次も同じことが起きると思われる
  • 原因が両方に混ざっている場合 → メールでは原因の配分には触れず、「新しい予定日」と「今後の進め方」に文面の重心を置く。配分の話は必要であれば電話や対面で補足する
  • 2回目以降の遅延の場合 → お詫びの言葉だけでなく、前回との違い(何を変えたか)を必ず入れる。同じ文面の使い回しは逆効果になる
TOI

TOI

「正しい謝罪文」は書けても、「今回の相手との関係で送っていい謝罪文」かどうかは、結局こちらで判断するしかなかった。

最終的には、ChatGPTが作った第一報の型はほぼそのまま使い、詳しい経緯説明の方は原因の記述を削って今後の進め方を厚くする形に書き直した。ゼロから文面を考えるより時間は大幅に短縮できたが、「送っていい文面」に仕上げるところは自分の判断が必要だった。

パターン別、納期遅延お詫びメールでAIに任せていい部分・いけない部分

  • 第一報として早く送るべき短いメールの型 → 任せて良い。件名・書き出し・結びの一文まで完成度が高く、そのまま使える
  • 敬語や言い回しのバリエーション出し → 任せて良い。自分で複数案を考えるより速い
  • 経緯説明の詳しさの調整 → 自分でやる。丁寧に説明しようとするほど言い訳っぽくなるため、原因への言及は削る方向に直す必要がある
  • 自社都合・クライアント都合が混ざる場合の原因の書き方 → 自分で判断する。ChatGPTは事実をそのまま書こうとするため、関係性を踏まえたぼかし方は自分で選ぶしかない
  • 2回目以降の遅延で前回との違いを示す一文 → 自分で書く。個別の経緯を踏まえた一文なので、ChatGPTには前提情報がない

実際にやってみて分かった、ChatGPT活用の得意・不得意

ChatGPTに任せて良かった部分

  • 第一報用の短いお詫びメールを、事実関係を渡すだけで数十秒で作ってくれること
  • 敬語表現のバリエーションを複数提示してくれるので、状況に合う言い回しを選ぶだけで済むこと
  • 「短い第一報」と「詳しい経緯説明」の2パターンを分けて作る、という構成自体は指示すればきちんと守ってくれること

自分でやるしかなかった部分

  • 原因説明が長くなりすぎて言い訳がましく読めてしまう部分を見極めて削ること
  • 自社都合・クライアント都合が混ざる場合の、原因の書き方・配分の判断
  • 2回目以降の遅延で「前回との違い」を示すなど、個別の関係性を踏まえた調整

まとめ

  • 納期遅延が発覚したら、事実関係(当初予定日・新しい予定日・主な原因)を3点だけ箇条書きにしてChatGPTに渡すと、第一報用の短いお詫びメールが数十秒で出てくる
  • 「早く送る」ことが何より大事な場面なので、型の部分をChatGPTに任せて時間を浮かせ、その分を文面の見極めに回すのが効率的
  • ただし詳しい経緯説明は原因の記述が長くなりがちで、放っておくと言い訳っぽく読める文面になるため、原因への言及は最小限にして今後の進め方を厚くする調整が必要
  • 原因が自社都合かクライアント都合か、あるいは両方混ざっているかによって適切な書き方は変わるため、パターン別に整理しておくと次に同じ場面が来たときに迷わない
  • 次は、実際にこのパターン分けで送ったメールがクライアントにどう受け取られたか、次の商談や契約更新の場面で振り返ってみたい

コメント

タイトルとURLをコピーしました