「ChatGPT Atlasが2026年8月9日でサービス終了になった。これまで競合サイト調査や提案前の下調べに使っていたけど、代わりのAIブラウザに乗り換えて、同じことができるのか気になる」。私はWeb制作会社でエンジニアをしていて、クライアントへの提案準備でAtlasのエージェントモードを結構な頻度で使っていました。終了通知を見てから乗り換え先を試し、実際の業務で使ってみたので、その結果をそのまま書きます。
結論から言うと、複数サイトを横断して情報を集める「調べる」作業は、乗り換え先のAIブラウザでも十分速いです。ただし、集めた情報に優先順位をつけてクライアントに刺さる切り口に組み立てる「まとめる」作業は、結局自分でやることになりました。どこまで任せてよくて、どこから人間の仕事なのか、境界線をはっきりさせておきます。
ChatGPT Atlas終了で、まず何に困ったか
Web制作の仕事では、新規のご相談を受けるとまず競合サイトを何社か見て回ります。同業他社がどんな料金体系を出しているか、サイトの更新頻度はどうか、問い合わせボタンをどこに置いているか。こうした「地味だけど提案の説得力を左右する下調べ」に、ChatGPT Atlasのエージェントモードを使っていました。指示を出せば複数のサイトを勝手に巡回して要点をまとめてくれるので、1件あたり30分近くかかっていた作業が10分程度に縮んでいた実感があります。
それが2026年8月9日で提供終了。OpenAIはブックマークのエクスポートなど移行手順を案内していましたが、肝心の「エージェントが複数サイトを巡回して調べてくれる」機能そのものの代わりは自分で探すしかありません。
乗り換え先に選んだのは「Perplexity Comet」
なぜCometにしたか
候補はいくつかありましたが、最終的にPerplexity Cometを選びました。理由は単純で、ブラウザ本体が無料で、Chromiumベースなので今まで使っていたChromeの拡張機能やブックマーク、パスワードをそのまま引き継げたからです。乗り換えのハードルが低いというだけで、業務が止まる期間をほぼゼロにできました。
インストールして最初に気づいたこと
インストール自体は普段使っているブラウザを入れ替える感覚で、非エンジニアの同僚でも迷わずできるレベルでした。ただし、複数サイトを横断して自動で調べ回る「エージェント的な使い方」を本格的にやろうとすると、Perplexity Proプラン(月20ドル)への加入が実質必要になります。無料のままでも1サイトずつの要約や質問応答はできますが、Atlasでやっていた「巡回してまとめる」働き方をそのまま再現するには課金が前提でした。ここは会社の経費で判断が分かれるところなので、先に確認しておくべきポイントです。
TOI
「無料ブラウザ」という触れ込みだったので、本気で使うには結局サブスクが要ることに気づくまで少し時間がかかった…。
実際にクライアント想定の競合サイト調査をやらせてみた
実際の案件名は出せないので、「地方の工務店からホームページリニューアルの相談を受けた」という一般化した想定で試しました。同業の競合サイトを5社ほど指定し、「料金の見せ方」「施工事例の更新頻度」「問い合わせ導線」を横断的に調べてメモにまとめるよう指示しています。
「調べる」フェーズは確かに速かった
5社分のサイトを順番に開いて、指定した観点ごとに箇条書きで情報を拾ってくれる速度は素直に評価できます。手作業なら1社あたり10分は見ておきたい巡回とメモ取りが、指示を出してから数分で一通り出そろいました。「事実の収集」という一次情報集めの部分に関しては、Atlasを使っていたときと体感の速さは変わりません。
「まとめる」フェーズで手が止まった
問題はここからでした。出てきたメモは「A社は施工事例が月2回更新、B社は問い合わせボタンがファーストビューに1つだけ」といった事実の羅列で、「今回のクライアントにとってどれが重要な差なのか」という優先順位づけまではしてくれません。また、サイトによっては更新が止まっている古い情報をそのまま拾っていたり、料金の記載を見落として「料金非公開」と誤ってまとめていたケースもありました。競合の実態をクライアントに説明する資料に使う以上、ここは自分の目で1社ずつ裏取りするしかありません。
結局、「どの競合の、どの特徴を、今回の提案のどこにぶつけるか」という組み立ては、5社分の一次情報を読み込んだうえで自分で考えました。AIブラウザが短縮してくれたのは巡回とメモ取りの時間であって、提案の骨子を作る時間ではなかった、というのが正直な感想です。
非エンジニアの同僚に触らせてみたら
営業アシスタントの同僚にも、参考サイト集めの作業で試してもらいました。インストールと基本操作はすぐ覚えられましたが、指示の出し方でつまずく場面がありました。「競合サイトを調べて」だけだと情報がバラバラに返ってきて、「料金・更新頻度・問い合わせ導線の3点を、サイトごとに箇条書きで」のように観点を先に絞って指示しないと使える形にならないという点は、Atlasのときと変わらない課題です。
TOI
ツールが変わっても「何を調べさせたいか」を先に自分で決めておく手間は、結局なくならないんですよね。
それでも、指示の型さえ渡しておけば同僚一人でも一次情報集めまでは任せられました。ここは非エンジニアでも十分再現できる範囲です。
結局「AIブラウザに任せていい」のはどこまでか
使ってみて見えた境界線は次の3パターンです。
自分用の下調べ・情報収集であれば、無料版のCometでも十分。観点を絞って指示すれば、複数サイトの一次情報を短時間で拾える。
クライアントに見せる資料の元ネタにする場合は、AIが拾った情報をそのまま使わず、重要な項目だけでも自分の目で裏取りする。古い情報や見落としが混ざるリスクは、Atlasのときと同じくらい残っている。
商談前で時間がなく、巡回のスピードを優先したい場合は、Proプランへの課金も含めて検討する価値がある。ただし「まとめる・優先順位をつける」部分の工数は減らないので、時短効果は下調べの前半部分に限られると考えておいた方がいい。
提案の骨子作りまでAIに任せたい場合は、集めた一次情報をスライド化する工程で別のAIツールを使う方法もあります。以前、提案スライドをAIスライド生成ツールに作らせてみたときも、構成は速い一方でデザインと数字の調整は自分でやる羽目になりました。今回の競合調査の結果と合わせて考えると、「情報を集める」「骨子を組む」「見せ方を整える」の3工程はどれも、今のところ人間のチェックが必須という点で共通しています。

まとめ
ChatGPT Atlasが終了しても、競合サイト調査のようなルーティン作業をAIブラウザに任せる選択肢自体はなくなりません。ただし乗り換えたからといって、これまで人間がやっていた判断まで自動化されるわけではないことは覚えておく必要があります。
- 一次情報の巡回・メモ取りはAIブラウザに任せてよい(無料版でも実用レベル)
- 指示は「調べさせたい観点」を先に絞ってから出す(丸投げだと使える形にならない)
- クライアント向け資料に使う情報は、重要な項目だけでも自分の目で裏取りする
- 巡回のスピードを本気で優先したい場合のみ、有料プランを検討する



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