「人手が足りないからエンジニアを1人採用したい。でも求人票を書く時間がないし、そもそも何を書けば応募が来るのか分からない」
うちはWeb制作会社で、社員数は十数人。人事専任はおらず、採用が必要になるたびに現場のエンジニアが片手間で求人票を書いている。今回、コーディング担当を1人増やすことになり、その求人票を任された。
結論から言うと、ChatGPTに丸ごと書かせた第一稿はそのまま出しても応募がほぼ来ない文章だった。ただし「使えない」わけではない。何が足りなかったのかを具体的に直したら、2週間で応募数が明らかに増えた。この記事では、その手直しの中身を実際のやり取りをもとに書く。
まずChatGPTに丸ごと書かせてみた
最初にやったのは、条件を箇条書きで渡してそのまま求人票を書かせることだった。
プロンプト例:「Web制作会社のコーディング担当を募集する求人票を書いて。条件は経験2年以上、HTML/CSS/JavaScript必須、リモート週2日可、年収350〜450万円、社員10数名のアットホームな会社です」
TOI
一瞬でそれっぽい文章が出てきて感動したけど、よく読むとどこかで見たことある求人票と同じ顔をしていた
出てきた第一稿は「風通しの良い職場です」「アットホームな社風」「若手も活躍中」といった、どの求人票にも書いてある言葉が並んだ。文法的には正しいし、条件も漏れなく入っている。でも読んでも「この会社で働く1日」がまったく想像できない文章だった。
実際に応募が来た求人票と比べて分かった3つの差
第一稿をそのまま出さず、過去に反応が良かった同業他社の求人票や、実際に採用できた自社の別ポジションの求人票と読み比べた。差は主に3つだった。
差1: 抽象語を「具体的な場面」に置き換える
「アットホームな職場」ではなく、「週1回の進捗ミーティングは15分で終わる」「コードレビューは基本その日のうちに返す」のように、応募者が実際の1日をイメージできる具体名詞・具体的な数字に置き換えた方が反応が良かった。ChatGPTに「アットホーム」を使わせないと明示的に指示すると、代わりに具体例を聞き返してくるので、そこで実際の社内ルールを答えていく形にした。
差2: 応募者が抱く不安に先回りして答える
未経験者や転職回数が多い人ほど、「自分の経歴で応募していいのか」「面接で何を聞かれるのか」という不安で応募をやめてしまう。求人票の末尾に「こんな方でも歓迎します」という項目を具体的な経歴例つきで追加したところ、応募のハードルが下がった実感があった。これはChatGPTに「未経験者が抱きそうな不安を5つ想定して、それぞれに一言で答える文章を作って」と頼むと下書きが作れる。
差3: 検索されるキーワードを自然に文中へ入れる
求人媒体の検索では「リモート」「未経験可」「土日休み」のような単語で絞り込まれることが多い。第一稿はこれらの単語が本文中に散らばっておらず、条件欄にしか書かれていなかった。見出しと本文の両方に検索されやすい単語を自然な形で入れるように直した。
実際にやった手直しの手順(誰でも再現できる)
- ChatGPTに条件を渡して第一稿を作らせる
- 第一稿から「アットホーム」「風通しが良い」等の抽象的な褒め言葉をすべて洗い出す
- その言葉ひとつずつについて「具体的にはどういう場面か」を自分で言語化し、ChatGPTに置き換えさせる
- 「未経験者・転職回数が多い人が抱きそうな不安を5つ」を出させ、それぞれに答える一文を追加する
- 求人媒体で実際に検索されそうな単語(リモート、土日休み、未経験可など)が見出し・本文の両方に入っているか確認する
TOI
ChatGPTに「書かせる」というより、自分が言語化できていなかったことを「聞き出される」感覚に近かった
この手順で直した求人票を掲載してから2週間、以前の求人票を出していた期間と比べて応募数がはっきり増えた。もちろん媒体や時期の影響もあるので、これがすべてChatGPTの効果とは言い切れない。ただ、少なくとも「読んでも会社の中身が想像できない求人票」ではなくなったのは間違いない。

まとめ
- ChatGPTに求人票を丸ごと書かせた第一稿は、抽象的な褒め言葉が並ぶだけで応募にはつながりにくい
- 「アットホーム」等の抽象語は、社内の具体的なルールや場面に置き換えると読み手に刺さる
- 未経験者や経歴に不安がある応募者には、想定される不安に先回りして答える一文を足す
- 求人媒体で検索されやすい単語が見出し・本文に自然に入っているか最後に確認する
- ChatGPTは「求人票を書かせる相手」ではなく「自分の言語化を手伝わせる壁打ち相手」として使うと効果が出やすい
次に求人票を書くときは、まず第一稿をChatGPTに作らせたうえで、上の5ステップで一つずつ具体化していくところから始めてみてほしい。



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