クライアントのGoogleビジネスプロフィール、口コミ返信をChatGPTに下書きさせてみたら「量」はさばけたが「星1つの辛口レビュー」だけは自分で対応するしかなかった話

業務効率化の実践記録

保守契約に「口コミ返信」まで含まれているクライアントが地味に多い

Web制作会社で複数のクライアントサイトを保守している身として、意外と負担になっているのが「Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)の口コミ返信」だ。サイト制作と一緒にMEO対策も請け負ったクライアントの場合、口コミへの返信文の作成・投稿まで運用業務に含まれていることが多く、飲食店や美容室、士業事務所など複数の業種のクライアントを抱えていると、毎週それなりの数の口コミが溜まっていく。

「ありがとうございます、また是非お越しください」だけの定型返信を業種の違う何件分も書き続けるのは、地味にしんどい作業だった。ちょうどGoogleビジネスプロフィールとGeminiの連携が話題になっていたタイミングで、まずは手元にあるChatGPTで口コミ返信文の下書きを一括生成できないか試してみることにした。

TOI

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星5つの「最高でした!」に対して、毎回違う言い回しで感謝を伝える作業、地味に脳のリソースを食う。

ChatGPTに口コミ返信文を下書きさせてみた

使った手順

  1. クライアントごとに「業種」「ブランドトーン(丁寧・フランク・専門的など)」「文末に入れたい定型句(次回来店特典の案内など)」をあらかじめメモしておく
  2. 溜まっている口コミ本文と星の数をコピーし、ChatGPTに一括で読み込ませる
  3. 星の数ごとに「感謝→(必要なら)謝罪→事実確認の一言→改善策または再来店の誘い」の型で返信文を作らせる
  4. 個人情報や来店日時などクライアント固有の情報は空欄のまま出力させ、自分で埋める前提にする

ChatGPTへのプロンプトはこんな形にした。

あなたはGoogleビジネスプロフィールの口コミ返信を代行する担当者です。
以下の口コミそれぞれに対して、返信文の下書きを作成してください。

【クライアント情報】
業種: (例:美容室)
ブランドトーン: (例:丁寧だが堅すぎない)
文末に入れたい定型句: (例:次回ご来店の際は◯◯もお試しください)

【返信文の型】
・星4〜5: 感謝→具体的な言及(口コミ内容に触れる)→定型句
・星3: 感謝→改善に努める旨→定型句は入れない
・星1〜2: 感謝→謝罪(ただし事実関係を断定しない表現)→
  「詳しい状況を伺いたいので直接ご連絡いただけますと幸いです」という一文→
  定型句は入れない

【注意】
・来店日時や担当者名、具体的な症状・トラブル内容など、
  こちらが把握していない個人情報は絶対に補完しない
・星1〜2の内容に、衛生面・接客態度・料金トラブルなど
  具体的な苦情が書かれている場合は、その口コミ番号を
  「要人間確認」として別枠でリストアップする

【口コミ一覧】
(星の数と口コミ本文を貼り付け)

「量」と「トーンの統一」はかなり助かった

星4〜5の口コミについては、口コミ本文の具体的な内容(「駐車場が停めやすかった」「スタッフの対応が丁寧だった」など)を拾って言及してくれるので、コピペで使える完成度の返信文が数十秒で出てきた。クライアントごとに「ブランドトーン」を指定しておくだけで、同じ内容でも丁寧語中心の美容室と、フランクな居酒屋とで文体がきちんと変わっていたのも助かった点だ。

星1〜2の口コミについても、「事実関係を断定せず、まず直接連絡を促す」という型を徹底させたことで、身に覚えのない非をいきなり認めてしまうような返信文にはならなかった。これは自分でプロンプトに明示的に書いたルールが効いた結果で、何も指定せずに「謝罪文を書いて」とだけ頼んでいたら、おそらくもっと踏み込んだ謝罪文が出てきていたはずだ。

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「謝りすぎない謝罪文」をAIに書かせるのは、意外と難しいプロンプト設計だった。

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それでも「要人間確認」に上げた星1レビューは、結局全部自分で書き直した

型自体は機能していたのだが、実際の運用で気づいたのは「要人間確認」としてChatGPTがリストアップしてくれた星1〜2の口コミは、結局ほぼ全部、下書きをそのまま使えなかったということだった。

例えば飲食店クライアントの案件で「注文した商品と違うものが提供された上に、対応した店員の態度も悪かった」という具体的な苦情を含む口コミがあった。ChatGPTの下書きは型どおり「ご不便をおかけし申し訳ございません」「詳しい状況を伺いたい」という無難な内容だったが、実際にクライアントに事実確認したところ、その口コミには「担当した曜日」まで具体的に書かれており、クライアント側ではその曜日のシフトから該当しそうなスタッフの心当たりがあった。この場合、無難な定型謝罪だけを返信すると「他人事のように受け流された」という印象を与えかねず、クライアントと相談して「該当する可能性のある点を社内で確認し、指導を行った」という、もう一段踏み込んだ内容に書き直すことになった。

ChatGPTは口コミ本文だけを見て返信文を作るため、その口コミの内容がクライアントの実態とどう対応しているか(本当にそのスタッフが担当したのか、過去にも同様の指摘があったかなど)までは判断しようがない。そしてこの「実態との突き合わせ」を飛ばして無難な謝罪文をそのまま投稿してしまうと、閲覧している他の見込み客から見て「テンプレ対応で誠意が感じられない店」という印象を持たれるリスクがある。結局、星1〜2で具体的な苦情内容を含む口コミは、ChatGPTの下書きを叩き台にしつつ、クライアントへのヒアリングを挟んでから返信文を確定させる、というひと手間が必須になった。

パターン別、口コミ返信でAIに任せる前に確認すべきこと

  • 星4〜5で、具体的なコメントがある場合 → ChatGPTの下書きをほぼそのまま使ってよい。コメント内容への言及と定型句だけ整えれば十分
  • 星3で、可もなく不可もない内容の場合 → 下書きをベースに、定型句を外して簡潔にまとめる程度の調整で使える
  • 星1〜2で、具体的な苦情内容(担当者・日時・料金など)が書かれている場合 → 下書きをそのまま使わず、必ずクライアントに事実確認してから返信文を確定させる
  • 星1〜2で、衛生面や差別的発言など法的リスクを含む内容の場合 → AIに下書きさせず、クライアント側の責任者・必要であれば専門家を交えて対応する
  • 星のみでコメントがない場合 → 無理に返信せず、そのままにしておく判断も選択肢に入れる

実際にやってみて分かった、口コミ返信でのChatGPT活用の得意・不得意

ChatGPTに任せて良かった部分

  • 星4〜5の口コミへの返信文を、業種・ブランドトーンに合わせて量産すること
  • 「謝りすぎない」謝罪文の型を、プロンプトで明示すれば安定して守らせられること
  • 「要人間確認」として、具体的な苦情を含む口コミを機械的にフラグ立てすること

自分でやるしかなかった部分

  • 「要人間確認」に上がった口コミの内容を、実際にクライアントの現場と突き合わせて事実確認すること
  • 事実確認の結果に応じて、無難な定型謝罪では済まない場合に返信内容を踏み込んで書き直すこと
  • 法的リスクを含みうる内容かどうかを見極め、AI任せにせず人の判断に切り替えること

まとめ

  • Googleビジネスプロフィールの口コミ返信は、星の数ごとに「感謝→謝罪→事実確認の一言→再来店の誘い」の型をプロンプトで明示すれば、ChatGPTにかなりの部分を任せられる
  • 星4〜5の口コミは下書きをほぼそのまま使ってよいが、星1〜2で具体的な苦情内容を含む口コミは、ChatGPTの下書きを鵜呑みにせずクライアントへの事実確認を挟む
  • 「事実関係を断定しない」というルールをプロンプトに書いておくだけで、身に覚えのない非をいきなり認めてしまう謝罪文は防げる
  • 衛生面や差別的発言など法的リスクを含む口コミは、AIに下書きさせずクライアント側の責任者・専門家を交えて対応する
  • 次に口コミ対応をするときは、まずChatGPTに星ごとの下書きと「要人間確認」フラグを出させ、フラグが立った口コミだけクライアントに事実確認してから返信を確定させる、という運用に固定していきたい

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